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写真:2019年メジュゴリエ巡礼のあと、ミオの家の近くのキャンプ場に泊まりました。

 

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ミオのセンターにて。司祭お二人がミオ夫婦を祝福してくださっています。

 

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この日はミオの誕生日でした。センターに置くためにグアタルーペで買ってきたプレゼントです。

 

 

 

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◆最新記事 

 

87.黙想ノートのご紹介

フレンツ神父は日本に行くことができなくなったため、オンラインで黙想会を始めました。記事はこちら。。

88.キリストの尊い御血の連祷

89.ご一緒に賛美

 

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■チームへの連絡はSUZUME-SUZUMEまで。

なお、携帯電話からのメールはこちらからの返信が届かないので、ご遠慮ください。

(スマートフォンは大丈夫です。)

 

  ■◆■◆■◆ ご挨拶  ◆■◆■◆■

 

こんにちは、SUZUME-SUZUMEです。

私たちは、ミオが日本で黙想会を行う際、お手伝いをしています。



ミオ バラダはクロアチアに住むカトリック信者です。詳しくは「1.ミッションディヴァインラブ」に記してありますので、ごらんください。

SUZUME–SUZUMEのうちの一人はドイツに住んでおり、2007年、ドイツのとある巡礼地のカトリックの黙想の家で行われた「信仰の刷新のためのセミナー」でミオに出会い、2009年からドイツで行われるセミナーに讃美チームとして協力するようになりました。

ミオは2010年にはじめて来日し、日本国内の数カ所で信仰のセミナーを始め、私はその通訳、賛美チームの一人として同行しています。

そのSUZUMEがこのブログを書いています。

このブログでは、ミオの活動の様子や、みなさんの証し、次回の予定などをお知らせして行こうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

■ミオのセミナーのテーマについてはこちらをご覧ください

        
■セミナーの日時、場所、講話や歌のCDなどについては、こちら、こちらをご覧ください。

■ニュース:ドイツでミオに協力しているパーリンのアウグスティノカノン マキシミリアン神父が、2016年12月13日に新しい総長に叙階されました。神に感謝!

 

 

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2025年10月12日 (日)

マリエンフリードの御出現

SUZUME -SUZUMEは、月に一度、ズームで有志の皆さんとご一緒にインマクラータロザリオを祈っていますが、その起源はマリエンフリードでの御出現にあります。

少し長くなりますが、今日はそれをご紹介したいと思います。

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(マリエンフリードのチャペルの祭壇)

ーーーーーーー

ドイツ / Marienfried

マリエンフリードの御出現

    

マリエンフリード https://www.marienfried.deは、聖母の巡礼地、祈りの場です。黙想の家があり、年間を通して様々な司祭方が黙想会を行っています。

『インマクラータロザリオ』と『聖三位一体への祈り』は認可済みですが、御出現は、教会認可を受けていません。認可のないものを読むようにとお勧めすることはできませんが、私個人には、とても役立つメッセージでしたので訳しました。読む、読まないは、あなたがお決めになってください。

 

ソースは、

https://www.fatherspeaks.net/pdf/ms_Marienfried_Marian-Shrines-Germany_de.pdf 

及び、私が20年前に購入したマリエンフリードの冊子(下の写真)です。

 

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マリエンフリード

マリエンフリードは、ドイツのバイエルン州、ノイウルム(新ウルム)地区にあるプッフェンホーフェンにほど近い、アウクスブルク教区の公式な祈りの場です。祈りの場の中心となるのは、『恵みのチャペル』です。このチャペルは、第二次世界大戦の戦災を免れたことに感謝して、戦後に献堂されました。

1947518日、ケラーベルクに建つ聖母のチャペルは、司教の承認のもとに聖別され、御絵は『三回素晴らしい聖母、恩寵の仲介者』というタイトルを与えられました。聖母の御絵は、シェーンシュタット運動の『三回素晴らしい聖母』の御絵と同じものです。

 

✳️訳註:シェーンシュタット使徒運動は、ケントニヒ神父が始められたもので、マリエンフリード もシェーンシュタット運動に属しています。興味のある方は、英語ですが、https://en.wikipedia.org/wiki/Schoenstatt_Shrine をご覧ください。

 

  
『三回素晴らしい聖母』                            

  の御絵について


この御絵は画家ルイジ・クロシオ(+1915)が19世紀末に描いた絵を復刻(リプリント)したものです。元々、絵のタイトルは「Refugium peccatorum」(罪人の逃れ場)でした。

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インゴルシュタットのマリア会を指導していたイエズス会のヤコブ・レム神父は、1604年、内的体験の中で、マリアが『素晴らしい』という呼びかけのもとに崇拝されることを最も望んでおられることを認識し、マリアは、『神の母』として、『贖い主の母』として、『贖われた者の母』として三重に素晴らしい方、と聖母に呼びかけるようになりました。その後、御絵は『三回素晴らしい聖母』と呼ばれるようになったのです。

 

『三回素晴らしい聖母』-Mater ter admirabilis」(略称:MTA)といタイトルが付けられた御絵は、インゴルシュタットのマリア会で、シェーンシュタット使徒運動の御絵として採用されました。そして、シェーンシュタット使徒運動の歴史の中で、このタイトルは拡大していったのです。

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(マリエンフリード 教会でのごミサ)

巡礼者の増加に伴い、1972年巡礼教会が建築され、2011年に再建されました。他にも、巡礼者の家である『ハウス・マリエンフリード 』、『ハウス・ベタニア』・『ハウス・タルボ』などの建物があります。

また、敷地内には、ルルドの洞窟、ファティマの洞窟、十字架の道行き、ロザリオの道などがあります。

マリエンフリード  では、定期的に祈りの会や黙想会が行われています。特に、聖心の金曜日と、それに続く聖母マリアの償いの土曜日(初土)には、多くの巡礼者が訪れます。

この祈りの場は、第二次世界大戦後の1946年に聖母が出現したことが主な起源となっています。 御出現を受けたのは1924615日生まれのベアベル・リュースです。彼女はのちにアントン・レーム助祭と結婚して5人の子供の母親となり、1996114日、多発性硬化症のため死去しました。                              

 

ドイツの別の教区、レーゲンスブルクのルドルフ・グラバー司教は、かつて、この御出現について、「以前の出現で語られたことを多かれ少なかれすべて要約した、並外れた意義のあるメッセージである」と言及しました。

御出現があった当時、地元の教区司祭だったマルティン・フンプ神父は、1946年の夏、ビクトル・ヨーゼフ・ダンメルツ司教に事の次第を報告しました。そして、調査委員会が設置され、1950年まで調査と聞き取りが行われました。カトリックの信仰に反するものは何も見つかりませんでしたが、特に奇跡がなかったことから、超自然性を認められませんでした。

こうして、こんにちに至るまで、この聖母の御出現を明確に否定することなく、教会側は非承認としています。

1966年には、『インマクラータロザリオ』と『聖三位一体への祈り』が教会的に承認されました。

 

  ††† †††  †††  †††  †††  

 

インマクラータロザリオ

 1940513日、その日は聖霊降臨の月曜日でした。プッフェンホーフェンに住むベアベル・リュースという 16歳の少女が、父親が所有する森の中を散歩していました。

前日の聖霊降臨の日曜日にも、ベアベル(バーバラ)はロザリオを祈りながら森の中を歩いたのですが、その時、ロザリオを落としてしまったのです。それを探すために、今日も同じ道をたどることにしました。

ベアベルが、「今日はどの神秘を祈ろうかしら?」と考えながら歩いていると、ひとりの婦人が近づいて来て彼女に挨拶すると言いました。「ロザリオのどの神秘を祈ろうかと考えていらっしゃるのでしょう?  他のロザリオをあなたにお教えしますから、一緒に祈りましょう。」

ベアベルは驚いて答えました。「どうして私がどの神秘を祈ろうか考えているのがわかったのですか? それに、あなたはどなたですか?」

「それは大切なことではありません。あなたがこのロザリオをいつも祈るなら、私のことがもっと分かるようになるでしょう。」

そう言って、その婦人はベアベルに『インマクラータロザリオ』の祈り方を教えたのです。

 

<インマクラータロザリオ> 次のように普通のロザリオを用いて祈ります。

第1連)聖母マリア、あなたの無原罪の御宿りによって、私たちを救ってください。

第2連)聖母マリア、あなたの無原罪の御宿りによって、私たちをお守りください。

第3連)聖母マリア、あなたの無原罪の御宿りによって、私たちを導いてください。

第4連)聖母マリア、あなたの無原罪の御宿りによって、私たちを聖なる者と変えてください。

第5連)聖母マリア、あなたの無原罪の御宿りによって、私たちを治めてください。

 

しかし、この時、その婦人は、『私たちを』のところを、『私たちの祖国を』という意向で祈りたいと言いました。当時は第二次世界対戦中で、ヒットラーが次々に勝利を重ね、国々を征服していったからです。

この大きな祈りの意向で、二人はインマクラータロザリオを祈りました。

ベアベルは、この婦人が『天におられる』と『栄唱』しか唱えないことに気づきました。祈り終わると、婦人は二人が歩いていた道をそれて脇道に入り、立ち去ってしまったのです。

簡素な装いをしたごく普通の女性でしたが、ベアベルはこの婦人から、忘れがたい、何か特別な印象を受けました。「もっと親しくなりたい」「もう一度お会いしたい」と思わせる、何か引きつけられるような雰囲気と善良さがにじみ出ていたのです。

ベアベルは教えられたインマクラータロザリオを頻繁に祈るようになりました。しかし、この婦人との出会いのことは、五年後に友人のアンナ・フンプに明かすまで、誰にも話しませんでした。

 

  ††† †††  †††  †††  †††  

 

御出現

 1943929日、大天使聖ミカエルの祝日に、マルティン・フンプ神父は、プァッフェンホーフェンの主任司祭に着任しました。神父の妹のアンナ・フンプは、司祭館の家事だけではなく、若い女性信者たちの霊的相談者として神父の手助けをしました。

1946425日、御復活祭後の木曜日に、アンナが指導する女の子のグループは、『素晴らしい聖母』の御絵を道端に設置することを皮切りに、礼拝堂の建設を開始することにしました。 425日の午後4時、フンプ神父、アンナ、ベアベルの三人は、礼拝堂建設に適切な区画を探すために森に入り、クワを入れ、あたりを片付けはじめました。

グループの他の女の子たちは後で合流し、一緒に作業する予定でした。森の中の一つの区画から別の区画へと向かいながら、フンプ神父は、「どの区画が礼拝堂建設に最も適している かが分かる何か自然なしるしを、天が与えてくれればいいなぁ」とふと思ったのでした。

 

 フンプ神父の証言:私たちはロザリオを祈り、最初の場所に戻ってその土地を整備することにしました。作業を始めてすぐに、ベアベルが「誰かが呼んでるわ!」と言いました。私たちはあたりを見まわしたのですが、誰もいませんでした。しばらくすると、彼女はまた誰かに呼ばれたと言うのです。「きっと、ベアベルの小さな妹が姉を探しているのだろう」と私は思ったのですが、誰も現れませんでした。

すると突然、彼女は茂みの中から私を呼んだのです。「早く来て! この女の方を見てください!」私はすぐにベアベルのそばに行きましたが、そこには誰もいませんでした。

 

しかし彼女は、私には見えない誰かと話し始めたのです。ベアベルがこのように言うのが聞こえました。

「あなたはいったいどなたなのですか? 」「どうしてそのことを知っているのですか?」 「私にはわかりません!」

その後、彼女は土地整備作業に戻りましたが、さらに二回、誰かが彼女の名前を呼んだようでした。再度、彼女が言うのが聞こえました。「あなたはどなたですか?」「はい、そうです。6年前のことです! 1940513日の聖霊降臨の月曜日でした!」「あなたはどこからいらしたのですか? 私が言ったことを、どうして全部知っているのですか?」

 

ベアべルは私たちの方を見て、こう言いました。「ほら、あの方を見たでしょう? お話しを聞いたでしょう?」 私たちが「いいえ」と言うと、彼女はひどく怒って、「そんな! だって、見えたじゃない!」と叫びました。

 

アンナ・フンプの証言

フンプ神父とベアベルと私の三人は、作業に没頭して一生懸命働いていました。木や雑草の根を掘り起こし、土地を整える作業は結構な重労働でした。

私の左側、1メートルほど離れたところで作業をしていたベアベルは、突然、手を止めて体を起こすと叫びました。「誰かが呼んでいるわ!」「そう?何も聞こえないわよ」と私が言うと、「呼んでるじゃない!」と、少し横道にそれて茂みの中に入って行きました。私が目で追いかけると、ベアベルは、まるで誰かが目の前に立っているかのように一箇所を見つめて話しています。私は、特に何も考えずに、掘り起こし作業を続けました。

数分後、彼女は興奮して戻ってきて言いました。「ね、あの女の人を見た? あの方は名前も、どこから来たかも教えてくれないのよ。」

「ううん、何も見なかったわ。それに、あまり気をつけていなかったし」と答えると、彼女は続けました。

「あの人よ。ほら、前に、私にインマクラータロザリオを教えてくれた女性(ひと)よ。あの方がどこから来たのか知りたいんだけど...。」

 

その後、私たちはぶどうの木の周りの雑草を取り除く作業に熱中しました。30分ほどすると、ベアベルは「あ、また呼んでる!」と言いました。私は、「あの人よ、きっと。早く行って!」と促しました。でも、ベアベルは、「行きたくないわ。だって、私がわからないことばかり話すんですもの。私じゃなくて、ちゃんと理解できる人に話せばいいのに!」

「そんなに怒らないでよ。私には何も聞こえなかったけど、もし誰かに呼ばれたら、私だったら行くわ。」と私がそう言ったところで、ベアべルは56歩ほど右の方に進むと、立ち止まって、私たちには見えない誰かと再び話しはじめました。

 

兄はとても驚いて、私に囁き声で聞きました。「彼女、いったいどうしたんだ?」 私は言葉に詰まり、ただ首を横に降りました。すると、ベアベルが話している言葉が聞こえてきました。

「え? どうして? どうして知っているんですか?」 「はい、それはアメリカ人が来る一年前でした。」 そして、彼女は再び見えない人の話に耳をかたむけています。その間、私は兄に説明しました。「ベアベルは私たちには見えない何かを見ているのよ。」

この時、ベアベルは私たちからほんの数メートル離れたところに立って誰かと話していたのですが、突然私たちの方を向き、「ねっ! あなた方もあの方を見たわよね!」と確信を持って言いました。兄が「誰を見たって?」と聞くと、「そこにいた方よ! でも、誰なのか聞いても教えてくれないの。」

おそらく、私たちはかなり困惑した顔でベアベルを見ていたことでしょう。私たちは、何も見ていないことをもう一度彼女に伝えました。

ベアベルは私たちが整えた空き地の端の方を示しながら、「そんなぁ! 見たはずよ! だって、そこに立っていたでしょ?!」と、声を荒げて言いました。「幽霊なんかじゃないわよ。あの方は、最後にあなたたちにも話しかけたじゃない?」

「私たちに? 何って言ったの?」と聞くと、ベアベルは答えました。「『キリストの平和があなた方と、ここで祈るすべての人の上にありますように 』」と言ったわ。」

私たちは、何も見ていないし、何も聞いていないことをもう一度断言しました。

「どうして!?」と、ムッとした様子でベアベルは言い、「私のこと、信じないの? ホントなのよ! 私は見たの。ちゃんと見たんだから!」

その時、グループの女の子6人が作業の手伝いにやって来たので、その話しはそこで終わりました。

 

フンプ神父:私は日を改めて、その女性が話した内容についてベアベルに質問すると、彼女は答えました。「私にはよく理解できないことを言っていました。」「例えば?」

「『あなたは証人になるべきです』」とか、『最も信頼されている所で、、、神は私の願いをすべて叶えてくださると教えられている所で、、、私は平和を広めていきます』とか。『神から与えられた私の力をすべての人が信じるようになれば、平和になるでしょう。私は生ける神のしるしです。私は、私のしるしを私の子供たちの額に深くしるします。星は、しるしを迫害するでしょう。しかし、私のしるしは星に打ち勝ちます』とも言いました。

『あなたはどなたですか?』と聞くと、『ベールを被っていなければ、あなたは私が誰か分かるでしょう 』と言われたんです。」

私はベアベルにこう言いました。「み摂理に信頼するという意味で、これは望ましい兆候です。これで、昨日整地したこの場所にチャペルを建てるべきだということが、はっきりわかりました。」

 

   ††† †††  †††  †††  †††  

フンプ神父はその女性が誰なのかを尋ねました。そして、ベアベルが1940年の513日にひとりの婦人に出会い、その人にインマクラータロザリオを教えられたこと、513日にベアベルに話しをしたのは、その時の婦人と同じ方だということを知りました。

翌日、アンナはベアベルに「昨日、女の人を見ながらあなたが言った『それはアメリカ人が来る一年前でした』というのはどういう意味だったの?」と尋ねました。

ベアベルは言いました。「私ね、アメリカ兵がプァッフェンホーフェンに進軍した日(1945425日)に、私は、これからは今までのように時々ではなく、毎日インマクラータロザリオを祈ります、って心の中でマリア様に約束したの。そのことを、あの女の人は知っていたのよ!

なぜそんなことを知っていたのかしら? それに、『あなたのしたことは、私に大きな喜びを与えました』なんて言ったのよ。どういう意味かしら?」

 この会話の内容を妹から聞いたフンプ神父は、前日の森の中でのベアべルの奇妙な行動と、彼女が見ているらしい人に対する反応について、考えを巡らせていました。1946426日に、神父はもう一度ベアべルの体験と、婦人が彼女に語ったことについて尋ね、ベアベルは自分が話したことを確証しました。

フンプ神父は、この人は神の御母にほかならないと確信しました。ベアべルは、この解釈に頭を抱え、どんなことがあっても受け入れようとはしませんでした。なぜなら、自分はそのような恵みを受けるには、全く相応しくないと思っていたからです。

ベアべルはアンナにこう言いました。「もしそうなら、あなた方が先に聖母を見たはずよ。私よりはるかに優れているのだから。」

ベアべルは、ファティマなどの御出現に興味がなく、ほとんど何も知りませんでした。そこで、1946426日、神父は、少しでも御出現について知ってもらおうと、彼女にファティマの本を貸しました。しかし、翌朝、彼女はその本を未読のまま返却したのです。

「神父様、昨日の夜、この本を読まないですぐに返しなさいって、天使が言ったんです。」

 

   ††† †††  †††  †††  †††  

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 二度目の御出現 

 1946年5月25日

 それから1ヵ月後の525日の朝、ベアべルは、天使に、午後にマリエンフリードに来るように、と言われました。この天使は、自らを『偉大な恵みの分配者』と名乗り、ベアべルを訪れては、よく一緒に祈ってくれました。ミサに与った後、ベアべルはアンナに、後で一緒にマリエンフリードの森に来て欲しいと頼みました。しかし、午前の間にベアべルは考えを変え、こんな手紙をアンナに渡したのです。

「アニーへ。 今日は森には行かないことにします。私はだまされているのだと思うのです。今朝は余計なことを言って時間をとらせてしまってごめんなさい。私はこの一連の出来事をちっとも理解できないのですが、すべてを御母の御手に委ねたいと思います。聖母は助けてくださるでしょう。きっと、あなた方は私を説得して『一緒に行こう』と言うでしょうから、直接話すのはやめて、こうして手紙に書いています。私にはよくわからない何かに、あなた方は惑わされているのではないのでしょうか。私たちみんながはっきり理解できるように、愛する御母にしっかりと祈りましょうね。ベアベル」

フンプ神父はこの手紙を読んで、ベアべルが今までずっと従ってきた天使の指示に、今回は反抗し、従いたくないのだということを知りました。

 

フンプ神父:私が彼女の態度を真剣に非難したので、彼女は重い腰を上げて天使の要求に応じることにしました。

しかし、私が介入しなくても、彼女は御出現の場に出かけただろうことを、後にベアべルはアンナに告白しています。なぜなら、突然、彼女の中のすべての疑いが晴れて、家にとどまっていることができなくなったのだそうです。

この時、フンプ神父は公務のためで同行できませんでしたが、昼過ぎに一人で森に入り、悪魔の働きを阻止するために、御出現のあった場所で悪魔祓いの祈りをして聖水を撒きました。

また、アンナは、悪魔が少しの影響も与えないように、森に入る前に告解をしました。

ベアべルとアンナは午後5時過ぎに森に入り、聖母の御絵の周りに花を飾ったり、聖母に祈りを捧げたりしました。森の所有者である父親が、用事があって車でやって来るのを見たベアべルは、「ねえ、車で帰りましょうよ」とアンナに言いました。

しかしアンナは、もっと祈っていたかったのと、でこぼこの森の小道を車で走るのも嫌でしたので、「そんなに急がなくてもいいじゃない?!」と答えました。そこでベアべルも留まることにして、二人は再び祈り始めました。しばらく祈っていると、ベアベルは突然、桜の木の横に天使が立って、指で右側を指しているのを見ました。すると、そこにはあの女性が立っていたのです。

 

ベアベル:その方は真っ白い衣を着て、その上に白いマントを羽織っていらっしゃいました。髪の色はこげ茶ぽく、真ん中から分けていました。以前お会いした時は気づかなかったのですが、その方の目や顔全体から澄んだ清らかさが輝きでていました。なにしろ、その方には、私を惹きつける何かがありました。

目の前にいるのは救い主の御母なのだ、と初めて思い、「マリア様!」と叫んでしまいました。   

4月25日の御出現のとき、この方は、「ベールがなければ、あなたは私が誰であるかが分かるでしょう」と言われましたが、この時は、その霊的ベールが取り外されたのでした。聖母は話し始められました。

私は、恵みの大いなる仲介者です。御子の犠牲を通してのみ、世界が御父の御憐れみをいただけるように、あなた方は、私の執り成しによってのみ、御子に願いを聞いていただけるのです。キリストが世に知られていないのは、私が知られていないからです。国々が御子を追い出したので、御父は怒りの杯を彼らの上に注がれました。

世界は私の汚れない心に奉献されました。しかし奉献は多くの人にとって苦い責任となりました。私は世界が奉献を生きることを求めます。私の汚れない心に信頼しきってください!

私が御子のもとで何でもできることを信じてください。あなた方の罪深い心の代わりに、私の汚れない心をあなた方の中に置いてください。そうすれば、私が神の力を引き寄せ、御父の愛が、あなた方の中でキリストを新たに完全なものにしてくださるでしょう。キリストがまもなく平和の王として君臨することができるように、私の願いを聞いてください。

 

✳️訳註:聖母がおっしゃるのは、ファティマの聖母出現25周年を記念して、19421031日に行われた奉献のことです。この日、教会と全世界は、教皇ピウス12世によって聖母の汚れなき御心に奉献され、同年12月8日に、教皇は奉献を更新されました。

それから、聖母は人に明かしてはならないことをベアべルに告げられました。「あなたはこれを秘密にしておいてください。このメッセージをどうすべきか、まだあなたには理解できません。でも、信じてください。私があなたを導きます。いつかあなたにも分かる時がきます。

それから、すべての人に向けて聖母は次のように言われました。

神の御心を傷つける無数の罪のために、世界は神の怒りの杯を飲み干さなければなりません。底しれぬ淵の星は、これまで以上に猛烈に激怒し、ひどい大混乱を引き起こすでしょう。

なぜなら、彼は自分の時間が短いことを知っており、多くの人がすでに私のしるしの周りに集まっているのを見ているからです。

たとえ彼が多くの肉体を殺したとしても、私のもとに集う人たちに対しては、何の力も持ちません。

私に奉献された人々の死という犠牲によって、私の力が育ちます。

残りの群をキリストの勝利に導くための私の力が育つのです。

すでに私のしるしを刻印した人々がおり、その数は今後も増え続けるでしょう。

私の子供たち、この流血の時代に、まさにこの十字架が恵みであるということを忘れないでください。

そして、この恵みを何度も御父に感謝してください!

罪人のために祈り、犠牲を捧げてください! 

あなた方自身と、あなた方の行動を、私を通して御父に捧げてください!

私が思い通りに使えるように、あなた方自身を私に委ね尽してください。

ロザリオを祈ってください。形だけの祈りをしないように。

そして、しるしや奇跡を期待しないように。

私は恵みの大いなる仲介者として、隠れたところで働きたいのです。

私の願いを聞いてくれた時、私は、あなた方に心の平和をもたらしましょう。

この平和の上でのみ、民族は平和を築くことができるのです。

そうすれば、キリストは平和の王として人々を統治するでしょう。

 

 

その後、聖母は再びベアべルに向かい、聖母のお望みが世界に知られるように努力して欲しいと、個人的に願われました。

「私は記憶力が悪いので、聞いたことをすべてを思い出せません。」と心配するベアべルを、「あなたは、必要な時に、適切な言葉を思い出します」と聖母は慰めてくだいました。

それから聖母は非常に個人的なことについて、そしてまた未来の出来事についてベアベルに話しました。

悪魔は外に向かって大きな力を得るので、私にしっかりと繋がっていない人はだまされます。あなたはたった一人になる時が来るでしょう。人々からひどく誹謗中傷されるでしょう。悪魔は人々を盲目にします。彼は最も素晴らしい人々をも欺く方法を知っているのです。

あなたは堅く信頼しなくてはなりません。人々が私の汚れない心に信頼を寄せないところでは、どこでも悪魔は力を持っています。しかし、人々が自分たちの罪深い心の代わりに、私の汚れない心を置くなら、悪魔は何の力も持つことができません。それでも、悪魔は私の子供たちを迫害するでしょう。私の子供たちは、人々に軽蔑され拒絶されるでしょう。でも、彼は私の子供たちに対して何もできません。

 

聖母はベアべルにケラーベルクに行くようにと言われました。

非常に困難な状態にいる一人の男性がいます。あなたは彼を助けてください。彼をここに連れて来てください。ここで、彼は助けを得るでしょう。このことは、あなたが騙されているのではないというしるしになるでしょう。

 

翌朝になると、御出現はまやかしではないか、という恐れがベアべルの中に湧いてきました。

ベアべルはこう述べています。「今朝、森のいつもの木のところに行くようにと、何度も天使に言われたのですが、私は長い間拒んでいました。突然、すべては嘘だ、幻想だ、という考えに襲われたからです。すると、神の御母はこう言われました。

今朝、私はあなたをひとりにしておきましたので、私の恵みはあなたにありませんでした。これからもそういうことは度々起こるでしょう。私は、犠牲を必要としているからです。最も大きな恵みは、このような苦しみによって買い取られるのですから。』」

「それから、聖母は、祈りによって助けられた霊魂たちを見せてくださいました。聖母が私に祈りを頼んだ霊魂たちでした。」

この2回目の御出現の最後に、聖母は次のように言われました。

聖ウィルヘルムの記念日に再び来てください。

 

聖母のお話が済むと、天使は聖母に様々な称号で呼びかけ、祈りを唱えました。ベアべルとアンナは、毎回「私たちのためにお祈りください」と答えました。

『恵みの御母...、素晴らしい恵みの素晴らしい御母...、平和への道...、信頼に値する御母...、キリスト信者の救い.… 、偉大で、誠実なすべての恵みの仲介者...

 

ベアべル:「天使は私とアンナにひざまずくように言いました。御母は私たちを祝福しながら、『父と子と聖霊の御名によって、私はキリストの平和をあなた方に与えます』と言われました。

 

聖母は私にお話ししている間は、両手を合わせていらっしゃいましたが、天使が祈り始めると、両手を広げられました。そのお姿はとても明るく澄んだようになり、ただ、ただ『美しい』としか言いようがありません。最初はお顔だけが輝きを放っていたのですが、ついに全身が輝きに満ちました。聖母の頭上には3重の輝く光線があり、それはまるで王冠のようでした。祝福をくださった時、聖母のお姿は透き通り、太陽よりもはるかに明るくなりました。眩くて、私は思わず目をそらしてしまいました。そして、もう一度視線を戻すと、すでに御出現は終わっていました。」

 

 ベアべルはすぐにケラーベルクに行き、指定された場所に一人の青年を見つけました。彼は精神的に疲れ果てているように見えました。

彼女が「どちらに行かれるのですか」と声をかけると、彼は取り乱しながらも「森の中へ」と答えました。彼が上着の下に何かを隠しているようなので、ベアべルは何を隠していたのかを尋ねました。「何もありませんよ」、そう彼は答えましたが、ベアべルは「彼は自ら命を絶とうとしているのだ」という思いが湧いて、恐る恐る聞きました。「もしかして、ロープ……じゃない?」

すると青年は、「僕は、もうダメなんです。助けてもらえますか?」と言いました。「私には無理だけど、助けてくれるところを知っています。一緒に行きましょう。」そう答えて、ベアべルは、聖母に示指定された場所、後に『マリエンフリード』と呼ばれるようになる場所に彼を案内しました。そして、彼をそこにひとり残して帰宅しました。

夕方、聖母の御絵のところに来た女の子たち数名が、そこにロープが置かれているのを発見しました。聖母が、あの青年を助けてくださったのです。

 

  ††† †††  †††  †††  †††  

 

三回目、最後の御出現 

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 625日の聖ウィルヘルムの祝日の午後5時半ごろ、フンプ神父と妹のアンナは、ロザリオを祈りながら御出現の場に向かいました。まもなく、ベアベルも合流しました。アンナは『三回素晴らしい聖母』の御絵の周りを花で飾り、神父とベアべルはロザリオを祈り終え、しばらくの間黙想をしました。

しばらくお祈りをしていると、また、ベアベルに『逃げ出したい』という考えが浮かんできました。神父とアンナの説得にも関わらず、ベアべルが立ち去ろうとしたその時、「聖母が待たれているので、祈るように」と天使が言っているのをベアベルは感じます。

ベアベル:「聖母はもうそこにいらっしゃいました。5月のときよりも、さらに美しく輝いていらっしゃるので、『マリア様! なんて美しい!』と感嘆の言葉が口をついて出てきました。

 

聖母は語られました。

私は恵みの大いなる仲介者です。御父は、御父のはしためのこの立場を、世間が認識することを望まれています。人々は、聖霊の永遠の花嫁である私が、すべての恵みの忠実な仲介者であることを信じなければなりません。私のしるしは出現の中にあります。神がそのように望まれたのです。私の子供たちだけが、しるしを認めることができます。なぜなら、私のしるしは隠されており、それがゆえに永遠に栄光を与えるのですから。

私はまだ、自分の力を全世界的に明らかにすることができません。私は、私の子供たちと一緒に、目立たないように身を引いてなければならないのです。そして、犠牲の数が満ちるまで、密かに、魂に奇跡を起こします。暗闇の日々が短くなるかどうかは、あなた方にかかっているのです。

あなた方の祈りと犠牲が、獣の像を打ち砕きます。そうなれば、全能の神の栄光のために、私は全世界に私自身を明らかにすることができます。聖三位一体がすべての人に礼拝され、讃えられるようなるために、私のしるしを選んでください。

 

私を通して祈りと犠牲を捧げてください!  絶えず祈ってください! 

ロザリオを祈ってください!

私の無原罪の心を通して、すべてのことを御父に祈ってください。それが主の栄光のためであれば、主はあなたにそれを与えてくださいます。豊かな恵みをもたらす『インマクラータロザリオ』を、私が示したように祈りなさい。

過ぎ去る物事のために祈るのではなく、一人一人の魂のために、あなた方の共同体のために、諸民族のために祈りなさい。

すべての人が神の御心を愛し、敬うことができる恵みを求めて祈りなさい。私が望んだように、私の土曜日を守ってください。使徒(司教)と司祭は皆、特別に自分自身を私に奉献してください。御父が彼らに求めている大いなる犠牲が私の手に置かれたとき、聖性と価値を増すからです。

たくさんの犠牲を私に捧げてください! あなたの祈りを捧げてください ! 利己心を忘れるように! 今日しなければならないのは、神の永遠の栄光のために、人類の償いのために、祈りと犠牲を捧げることです。

✳️訳註:聖母の土曜日とは、初土の信心のこと。

 

私の子供たち、あなた方がこれを全力で行うなら、他のことは私に任せてください。私は、生贄となった御子の中で私の子供たちを愛しています。ですから、子供たちに、重く、そして海のように深い十字架を背負わせるのです。早く平和が訪れるように、お願いですから、十字架を担う準備をしてください。

聖三位一体がふさわしい栄誉を与えられるように、私のしるしを選んでください。できるだけ早く私の願いが聞き入れられることを要求します。これは天の御父の御心であり、今も、いつも、天の父の偉大な栄誉と栄光のために必要なことだからです。御父の御心に従おうとしない者には、恐ろしい災いが宣告されます。これは世界に対する私のメッセージであり、人々に伝えなければならないものです」。

 

私(ベアベル)は、どうすればいいかとマリア様にお聞きしました。聖母は答えられます。

「人々に、私から世界に向けての新しいメッセージがあると伝えなさい。」

「私は、私があなたに話したことを、一字一句、人々に知ってもらいたいのです。 出現の状況や詳細などは伝える必要はありません。ただ、私の望み、つまり御父の御心を知ってもらいたいのです。

このメッセージによって、霊は分かたれるでしょう。大きな群れがメッセージに腹を立てますが、小さな群れは理解して正しく受け止めます。

彼らは、ここでのメッセージの中に私の望みを理解し、喜ぶでしょう。この群れは、こんにちの私の立場を理解し、私にたくさんの喜びを与えてくれました。多くの国々にいるこの群には、それぞれに、私のメッセージが広がるように手助けする代表者がいます。

この小さな群に属する人たちの多くは、すでに隠された奇跡を見ることができました。

彼らは、私が『素晴らしい母』であることを理解し、この称号のもとに栄誉を与えてくれました。」

 

「人々が信じるために何かしるしを与えてくださるよう聖母に願って欲しい」と、神父はベアベルに頼みました。

聖母は答えられました。

人々が私の望みを満たしてくれたなら、しるしを与えます。そうすれば、これまでにないほどの大きな奇跡を、魂に対して行います。これまで、私は数々の目に見える奇跡を与えてきました。そして、ただ奇跡のゆえに人々は集まってきました。

外見上の奇跡だけで信じるすべての人が、混迷してしまう時代の前に私たちはいます。彼らにとって、『しるし』は大きな責任を負うことにしかならないでしょう。

 

べアべルは、ここにチャペルを建てることがお望みかどうかを質問すると、聖母は答えられました。

私はあなた方の望みを叶えました。あなた方は約束を守ってください。

続いてベアベルは、チャペルにはどの聖母の御絵を讃えるために飾るべきかを尋ねました。聖母はすでにこの地で崇敬されている『三回素晴らしい聖母』の御絵を用いるように言われます。この御絵のもとに、すでに多くの祈りと犠牲が捧げられてきたからです。

私は、彼らの犠牲を受け取りました。それらは、平和の御国が実現するために私に力を与えます。これからも大勢の人が、祈りと犠牲を捧げるために、この御絵のもとに導かれることを望みます。この小さな群が私の望みを行なってくれたとき、私のメッセージを理解し、従う人々のところで、私は、最初で最も大きな奇跡を行います。しかし、それらは隠れたところで現われるため、私の子供たちにしか見えません。

 

私の子供たちは、永遠の御者を褒め称え、感謝しなければなりません。神の栄光のために、彼らは創られたのですから。

 

聖母はベアベルに、ロザリオを唱えるたびに、『偉大で、忠実、すべての恵みの仲介者なる聖母!』と付け加えることを願われました。

罪人のためには多くの祈りが必要です。ですから、あなた方に祈りを頼めるように、あなた方は私の思いのままに使える状態でいて欲しいのです。私の子供たちの祈りを待っている、数多くの霊魂がいます。

 

「聖母が話すのを止めると、突然、聖母の周りに、大勢の天使が見えました。遠くの方まで天使たちでいっぱいでした。長い白い衣を身に付けた天使たちは、地面にひざまずいて、深くお辞儀をしていました」…このようにベアベルは報告しています。

ベアベルは、天使たちが聖三位一体に対する賛美の祈りをしているのを聴きました。最初は、『新しい歌』について語られ、その後、一部の天使たちは御父に対する祈りを始めました。他のグループが次々にエコーのように繰り返して祈っていました。彼らは、『聖なる、聖なる、聖なる…』と幾度も幾度も呼びかけるのでした。

天使たちの祈りが終わると、最初からベアべルに現れていた天使が、彼の後に従って言うようにと命じました。ベアベルは天使が言う通りに祈りましたが、一度も間違えることもつっかえることもなく、大変滑らかな祈りでした。「アーメン」のあと、天使は、「偉大な恵みの仲介者」と祈り、ベアベルは、「私たちのためお祈りください」と応えました。

 

その後、天使たちは、御父へと同じように御子に対する賛美をし、最後に天使が、「偉大な恵みの仲介者」と祈り、ベアベルが「私たちのためにお祈りください」と応えると、聖霊に対する賛美を始めました。それまで、ベアベルは声に出さずに祈っていたので、ただ唇だけが動くのをフンプ神父とアンナは見ていました。しかし、聖霊への祈りはベアベルが声を出して先唱したので、彼らは聞くことができました。

 

   +聖三位一体への祈り+

永遠の君主に賛美。 

常に現存され、生きておられる神、公正な審判者、いつの時も寛大な慈しみの御父!

太陽を身にまとったあなたの娘、私たちの素晴らし聖母を通して、

いつも、そして新たに、あなたを讃え、礼拝します。アーメン 

偉大な恵みの仲介者なる聖母、私たちのためにお祈りください。 

 

生贄となられた神であり人である方に賛美。

血を流された子羊、平和の王、命の木、私たちの頭、御父の御心への扉、

生ける者から生まれ、永遠に支配される方。

いつも、そして新たに力と栄光、礼拝と償い、賛美が、

あなたの汚れない御母、私たちの素晴らしい御母を通してありますように。アーメン 

忠実な恵みの仲介者なる聖母、私たちのためにお祈りください。

 

永遠の聖霊に賛美。

永遠の昔から神のうちに働かれる溢れ出る神聖さ、御父から御子へと溢れ出る永遠の炎。

永遠の体の手足に、力、光、輝きを吹き付ける轟く嵐、永遠の愛の炎、

生きている者の中で神の霊を形作る方。

永遠に生ける御者から、死すべき者へ流れる赤い火の奔流。

あなたに新たに、そしていつも、力と栄光、優美さがありますように。

星を冠したあなたの花嫁、私たちの素晴らしい御母を通して。 アーメン 

すべての恵みの仲介者、私たちのためにお祈りください。

 

 

天使は、5月の時と同じように聖母に対して祈りました。聖母は、先週の日曜日に群衆が集まり、インマクラータロザリオをたくさん祈ると約束したことを、大変喜ばれました。その後、人々を祝福された聖母は、皆と一緒にロザリオを祈りました。聖母は、いつも「アーメン」と祈られ、栄唱はお一人で唱えられました。その際、深く頭を下げられましたが、イエスの御名を唱えるときにも、同じようになさいました。天使たちも深く頭を下げ、そこにいる私たちも同じようにするようにと促しました。

 

祈りが終わると、聖母は5月のときのように両手を広げて祝福をくださいました。その際、聖母は、聖三位一体に祈りました。

教会が、聖母の立場を理解できるように、御父の御旨を尊重するように、教会のために祈りました。聖三位が聖母を通して教会を祝福し、平和を与えてくださるように祈りました。

聖母は、5月の時よりもはるかに美しく変容していました。聖母はとても優しく、親しみやすかったのですが、御顔には、何か大きな痛みのようなものが見てとれました。聖なるものから離れていった聖母の子供たちがおり、彼らを救い主へ導くことができなかったことを聖母は嘆かれていました。聖母にとって、このことが非常に大きな痛みなのです。

御出現に集まった人々が祈りはじめると、聖母はますます美しく、光に満ちました。聖母の頭上にある三重の光は、とても明るく、大きくなり、空全体を覆いました。

ベアベルは、こう語っています。

「司祭が聖変化の時になさるように、聖母は手を伸ばして祝福をしてくださいました。私たちの上にいらっしゃる聖母の御手から、たくさんの光線が発せられ、その光線は、物質も私たちの体をも通り抜けていきました。私たちの姿も明るくなり、聖母は透明になり、輝きに包まれました。この美しさを人の使う言葉で表現することができません。私は何もかも忘れ、ただ、「聖母は救い主の御母だ」という思いでいっぱいになりました。あまりの明るさに目が痛くなり、他のところに目をやりました。もう一度聖母がいらした方に向き直ったときには、すべては消えていました。

 

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(この御像は、黙想の家の中にあります。)              

 

                       ー完ー

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